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海底ゴミ問題を考えたい! Vol.2 

海底ゴミ問題を考えたい! Vol.2 

投稿日:2024年8月10日

海底ゴミ問題を考えたい!  Vol.2 

 

孤高の仕事人マリンスイーパー代表

土井佑太さんに会いに行ったよ

■取材協力/マリンスイーパー

HP/marinesweeper.jp

YouTube/youtube.com/@marinesweeper

[PART2 本来は国家レベルの難題]

 

写真と文/立川 宏

 

 

キレイごとでは継続できない厳しい現実

 

その日は朝から快晴で、強烈な太陽が焼津の地を照らしていた。

土井さんの事務所には、海底で回収したルアーや、ルアーのリペアキッドが所せましと並べられている。

 

[地球を守りたい]

[困っている人を助けたい]

 

こうした純粋な気持ちでスタートした取り組みは資本主義経済の残酷なまでの荒波に揉まれて、志半ばで、経済的な壁に阻まれて、失速してしまうことも多い。

 

そのことを誰よりも理解している土井さんは、キレイごとではなく、海底清掃という慈善事業と、経済活動を上手にコミットする方法を模索しながら[海をキレイ]にする活動を継続している。

 

事務所内に並べられているルアーのリペア用品はその一環。

 

タカピー「こちらのルアーが海底で根掛かりしていたルアーを回収して、リペアしたルアーですね。キレイに生まれ変わるものですね。」

 


ごっとり「こちらが、海底から回収した直後のルアーの山ですか?」


 

土井「そうですね。そちらのルアーの山が1週間くらい前に、海に潜って回収したルアーの一部です。水洗いをして乾燥させた状態です。」

土井「そのときは約30分間潜って60~70個の根掛かっていたルアーを回収しました。」

 

タカピー「おおよそ30秒間に1個くらい回収している計算ですね。」

 

ごっとり「土井さんのユーチューブを頻繁に拝見させて頂いているので、海の中の現実は予想できていましたが、改めてお伺いすると、すごい数ですね。」

 

↓マリンスイーパーYouTubeチャンネル↓

https://www.youtube.com/@marinesweeper

 

 

土井「そうですね。海の中で拾ってきたモノだけで、何度も釣りができるくらいです。」

 

 

釣り好き同士。そして海の中をキレイにしたい! 

そんな思いを抱く仲間同士、挨拶もそこそこに、すぐに会話が始まった。

 

お互いに聞きたいことが山盛りにあるようだ。

 

 

本来は国家プロジョクト、もしくは企業プロジェクトとして行うべき、

海底清掃のプロジェクトを、たった一人でスタートさせた土井さん。

 

海底清掃事業には莫大な資金がかかる。

その費用の一部を土井さんは、海底で回収したルアーをリペアして販売してまかなっている。

だが、海底清掃に掛かる経費は計り知れない。

 

土井「今ではお陰様で取り組みにご賛同してくださる企業様も増えて来ましたが、台所事情はまだまだ火の車です(笑)。それでも海をキレイにするという取り組みは絶対に続けたいです。」

 

タカピー「本来は釣り業界全体、さらには海洋ゴミという視点で考えると国全体、世界全体の問題ですからね。土井さんの活動には本当に頭が下がります。」

タカピー「ところで土井さんのユーチューブを自分も頻繁に拝見させて頂いているのですが、いくつかお伺いしたいことがございまして、動画を見ながらお話させて頂いてもよいですか?」

 

土井「もちろんいいですよ。」

 

土井さんがモニター画面にマリンスイーパーのYouTube画面を映すと、そこには海底の岩に絡みつく巨大なネットが写し出された。

https://www.youtube.com/watch?v=aZtRrsWEspk

 

大切なのは釣り人一人ひとりの意識

 

タカピーこれは全部釣り糸ですか?もはやネットにしか見えませんね。」

 

土井9割がPEラインです。衝撃的ですよね。自分も最初に見たときにはかなり落ち込みました。ですがこれが現実です。釣り糸が絡み合って、ルアーを捕まえるネットになってしまっている。まるで釣り糸の蜘蛛の巣ですね。」

土井「最近は技術が進化しているので、細いラインでも手で千切るのはかなり大変です。海底で2~3年経っても強度は落ちない。分解されないラインが多いので、誰かが撤去しない限り、長期間に渡ってこうした状況が続きます。」

 

ごっとり「釣りメーカーさんからしたら、細くて強い糸を開発することが価値になりますからね。どうしても環境保全とは相反してしまいますよね。」

 

土井「そうですね。そこは致し方ない部分ですよね。釣りメーカーさんは、釣り人のニーズに真摯にお答えして、企業努力をなさっている訳ですからね。」

 

タカピー「かつて分解されるラインもありましたよね。」

 

土井「そうですね、ありましたね。ですがユーザーさんがあまり購入してくれなかったようですね。今では自分の知る限りでは、イシダイ用の捨て糸に分解ラインが残っているくらいだと思います。」

土井「ユーザーさんは、分解される糸というものに少し不安を感じるのかもしれませんね。メーカーさんはユーザーさんからの需要がない限り、製造&開発を続けるのは難しいですからね。」

 

ごっとり「そうしたユーザーの意識が、海底釣りゴミの問題をさらに複雑化&深刻化させていますよね。」

 

土井「そうかもしれませんが、ユーザーさんのお気持ちも分かるので、本当にセンシティブな問題ですよね。」

 

タカピー「このネット状の場所で根掛かりしたら、どんなに熟練のアングラーでも外せないでよね。」

 

土井「難しいと思います。自然物への根掛かりだと対処法はありますが、人工物への根掛かりを外すことは、実質上不可能だと思います。」

 

タカピー「誰も根掛かりさせたくて、釣りをしている訳ではないですからね...動画を拝見して思ったのですが、意外と長いラインが多いですね。」

 

 

土井「そうなんですよ。それは自分も驚きました。」

 

 

ごっとり「リーダーの結束部から切れて海底に絡まるのかと思いきや、この映像を見る限りもっと長いですね。」

 

タカピー高切れしていますよね。」

 

土井「そうですね。かなりの割合でメインラインから切れています。意外ですよね。自分なりにその理由を考えた結果、理由はふたつあると思います。」

 

土井「ひとつは、メインラインとリーダーの強度調整の考え方。色々な考え方がありますが、自分はリーダーを弱くしています。そうすればリーダーから切れます。

ですがリーダーが強い方がいい、という考え方もありますよね。考え方は色々なので、強制はできません。」

 

土井「ふたつ目の理由は、この動画を撮影した駿河湾の地形にあると思います。」

土井「駿河湾は急深の地形が多いので、海底ズレによって高切れをおこす確率が高いです。ロングリーダーを組んだとしても、回避するのは難しい。」

 

土井「地元のエキスパートの方々は、そのギリギリを攻めて、海底ズレを回避していますが、遠征組には困難です。」

 

 

タカピー「地元の方は海底の地形を熟知しているんですね。」

 

土井「地元の釣り人が海底地形を熟知するのは可能ですが、遠征組が地形を熟知するのはハードルが高すぎます。」

土井「そんな中、釣りドコさんの海底地形図は本当にセンセーショナルでした。釣り人の間で画期的な海底地形図が出た! って話題になりましたよね。」

 

タカピー「本当ですか。ありがたいお話です。」

 

土井「我々の周辺でも、凄く話題になりました。」

 

ごっとり「嬉しいです。ありがとうございます。」

 

土井「最近はどんどん公開エリアが拡大していますね。釣りドコさんの海底地形図は魚の居場所を探すだけではなく、根掛かりの回避にも役に立つと自分は確信しています。」

 

タカピー「土井さんに、そう言って頂けると本当に嬉しいです。」

 

土井「地球環境にとっても価値のある海底地形図だと思います。」

 

タカピー「ありがとうございます。」

 

土井「例えばですが、こんな例もあるかと思います。」

 

[PART3へつづく]